2021年のアサクラオイルについて
秋の収穫までは天候に恵まれ順調だったオリーブの果実でしたが、時勢の影響で搾油所の状況が例年のようにはいかず、連日収穫したオリーブ果実を搾油所に持ち込んで搾油してもらう行程に一切立ち会うことができませんでした。
折しも昨年はアサクラオイルの産地アプルッツォ州ペンネ一帯は豊作年で搾油所が混み合っていたという状況が重なりましし。通常であれば収穫から即搾油されますが、今回届いたオイルは収穫された果実が搾油するまでに数日を要する状況だったと予想されます。
この度、船便の遅延もありながら無事に到着をしましたが、いつものアサクラオイルとは違った味わいで届きました。フレッシュ感が薄い、というのが正直なところです。
「アサクラオイル」と期待され楽しみにされている方のイメージとは違うものであるため、今回はアサクラオイルの番外編として、別アイテム名で販売することを決めました。
このような現在の時勢の中、しかも2021年は同じ中部のイタリア・トスカーナ州やウンブリア州はオリーブかか不作でオリーブオイル自体の生産量が例年をかなり下回っている状況です。そのような中たくさん収穫ができ、無事日本に届き幸運と思っています。
いつものアサクラオイルの味わいとは少しイメージが違いますが、その分価格を抑え販売いたします。また、オイル名のOlioはイタリア語の「オイル」という意味です。「2021年産の(アサクラ農園の)オイル」として忘れることのないオイルとして命名しました。
自然栽培のオリーブオイル
アサクラオイルの農園
アサクラオイルは自然栽培でできたオリーブオイルです。
アサクラオイルの農園は、イタリアのペンネという町にあります。パスタのpenneと同じつづりで四方八方この地区はオリーブの有名な産地です。もともとの地主は20数年間農薬も肥料も一切施さずほったらかしにしていたとのこと。ゆったりとした中にオリーブの木がぽつりぽつりと植わっている。太陽が四方八方から当たり、また風が流れるので虫や菌が発生しにくい理想の栽培環境なのです。
ディリット
この地区はオリーブ原産地呼称制(DOP)区域です。アサクラ農園のオリーブはDOP指定の在来種オリーブ品種ディリットを栽培しており、DOP登録もしております。
DOP登録はまぜもの無しでその地区のオリーブのみで作ったオリーブオイルとの証明になります。
ディリットは品種改良しないこの土地独特の品種です。ではなぜ品種改良するのでしょうか?
- 病虫害の被害に強く
- 収穫量をより多く
- 風味をより良く
主により栽培しやすく、食べやすくするために品種改良がされます。新しい品種は収穫量が多いので、在来種はどんどん少なくなっているのが現状です。在来種の野性味のある味や風味、土地の財産である昔からの品種は貴重な存在です。
生産者朝倉玲子さんより
生産者の朝倉玲子さん
オリーブオイル屋としてオルチョサンニータの販売に無我夢中でしたが、だんだんオルチョも数に限界が見えてきて次なるオイルをと探し続けてきたがなかなか納得のいくものが見つけられなかった。
オルチョのような良さ(いろいろあるが)またそれ以上のものを持つオイルをはなかなかない。そのような中で自然栽培というものを知り是非自然栽培で出来たオリーブオイルを!という思いが強くなっていった。そこで色々なイタリア人に聞いて回ったが肥料を入れないでどうやって栽培するのかと全く相手にしてもら えないのがほとんどだった。
農薬はもちろん、肥料を入れないということは彼らの頭には微塵もなく、そんな栽培でどうやって農家は食べていくんだ!といわれる事もあった。あるイタリア人には自分でやるしかないね、と半ば冗談を言われたのだが、私はそれもいいかも!と思うようになり畑を探し出すと同時ぐらいにすぐこの地主に出会った。海抜400mと丘の頂上にあるこの農園はかなり急な坂になっている。始めはこんなところで作業が出来るかとても心配だったが、歩き慣れるとそうでもない。そして知れば知るほどこの農園が自然栽培にふさわしい事がわかってきた。
昔は牧畜をやっていたそうでそこで牧草の合間合間にオリーブを植えて自家用に栽培してきたとのこと。不動産業、オイル搾油所が軌道に乗り牧畜は20数年前に止めてしまったそうでそれから畑はほったらかし状態。剪定や収穫こそしていたが全く肥料も農薬もあげたことがない、まさに自然栽培そのものの畑であった のです。
木はほとんど40〜50年ほど経った古いオリーブばかり、しかし在来種の品種だというではないか。またこの地区はイタリアでも珍しい高い山があり質のいい水が豊富。また海抜が高いので湿気が少なく空気が流れるのでもともと害虫などが寄り付きにくい土地柄。そもそも肥料を施さないので余計な害虫や菌らが寄り 付きにくい非常によい環境の畑でした。
これからは木の剪定の工夫、また豆などを撒いて土地環境がさらによくなるように自分なりに試行錯誤したいと思っています。
その他のオリーブオイル オルチョサンニータ750ml
商品情報 |
商品名 |
Olio2021(オーリオ・ニーゼロニーイチ) |
生産地 |
イタリア・アブルッツォ州ペンネ |
品種 |
在来種・ディリッタ |
容量 |
220g(250ml) |
賞味期限 |
2023年5月19日 |
分析数値 |
酸度0.34%/過酸化物価値10.6 |
生産者 |
朝倉玲子 |
特徴 |
自然栽培(無農薬・無施肥)無ろ過(デカンテーションをせず絞りたてをそのまま瓶詰め)
熟し加減7〜8割の果実を収穫
風味・味/青々しくフレッシュ感が強くスパイシー。後味はマイルドだが複雑な香りと風味。アサクラ農園の畑のハーモニーそのもの |
ご注意下さい!!
- 例年のアサクラオイルのイメージとは違うため、今回はアサクラオイルきき番外編として、別アイテムで販売しています。また価格も抑えて販売しています。