天気が良く、瀬戸大橋も綺麗に見ることができました。
5月15日(土)晴天の春の日、小米茶園の小野さんご夫妻、NPO無施肥無農薬栽培調査研究会の小林先生と一緒に愛媛県の冨田さんの所へ行ってきました。(冨田さんは、温州みかん、枇杷、キウイフルーツ、いちじくの生産者です。)
朝8時に京田辺市を出発しましたが、阪神高速神戸線の渋滞で、約1時間のロス。(中国道から行った方が早かったかも知れません。)
お昼ご飯を食べるために立ち寄った瀬戸大橋の与島パーキングエリアにはお昼の12時着となりました。
天気が良かったので、与島パーキングエリアには沢山の観光客。
冨田さんと待ち合わせのACOOPには、約束の1時から約30遅れで到着。早速、冨田さんの畑を見に行きました。
冨田さんは、とても優しい笑顔をされます。枇杷は、オレンジ色の袋をかぶっています。
まずは、枇杷の畑に。
今年の枇杷の収穫予定量は、昨年の約1/3になるのでは…ということ。少ないとは聞いていましたが、そこまで少ないとは…。確かにオレンジ色の袋の数も少ないです。
春先の寒さの影響かと思いましたが、昨年の夏の日照不足で、花芽が少なかったことが原因らしいです。(一見、関係なさそうな昨年の天候が影響します。)
畑にはモノラックのレールが走っています。
今年の不作は、無施肥無農薬栽培だけでなく、一般慣行栽培も同様だそうです。また、みかんも今年は、全国的に裏作で、収穫量が少ないだろうとのこと。こういった時、生産者は本当に大変です。なんとか少しでも沢山収穫できるようにと思います。
次にみかんの畑へ。
冨田さんは、元々大阪に住んでおられ、農業をするために愛媛県に移住されました。最初は、みかん農家を手伝いながら、少しずつ畑を増やし、今は完全に独立しておられます。
しかし、新規就農者ということもあり、なかなか条件の良い畑は借りられず、冨田さんの畑は急な斜面の条件の悪い所ばかり。
つい最近も平らな畑を借りられる話があったそうですが、無施肥無農薬栽培でミカンを作ることを伝えたところ、断られてしまったとのこと。周りが一般慣行栽培をしているところでは、他の生産者の理解を得るのも難しいようです。
みかん畑の中腹から上を見上げると…。かなりの急斜面なのが分ります。
この傾斜地の畑の中では、全ての作業がかなりの重労働です。草刈り機での作業もずっと傾斜のある所ばかり。
畑にはモノラックという荷物を運搬する機械があります。確かに、これがないと大変なことになります。
畑で冨田さんを悩ますのが、カミキリムシ(冨田さんは、天牛[てんぎゅう]と言っていました。)。ミカンや枇杷の樹に卵を産み付け、幼虫がかえると樹を食い荒らすそうです。幼虫が樹の周りをグルッと一周すると樹は枯れてしまうとのこと。
そのため、冨田さんのポケットにはいつもカミキリムシの幼虫を駆除するためのピアノ線が入っています。カミキリムシの穴を見つけるとその穴にピアノ線を入れ、幼虫を引っ張り出します。
枇杷の樹の皮が削れている部分に、カミキリムシを駆除した穴があります。
しかし、駆除できないこともあり、そんなときは樹に「ごめんねー。がんばれー。」と声をかけるそうです。こんな冨田さんだから、あんなに美味しい作物ができるんだと思いました。
また、ミカンについては、夏の間に1本の樹に3回〜5回はカミキリムシの駆除を行うそうです。(枇杷やイチジクについては、カミキリムシの穴を見つけた都度、行うとのこと。)
このピアノ線で、カミキリムシを駆除します。
一般慣行栽培では、農薬を使うのでこういったカミキリムシの被害はないとのことです。無農薬ゆえの大変さですが、冨田さんは、「食べていただく方に、より安全なものを食べていただきたい。」その一心で農業をされています。
あの急斜面での作業の大変さ。言葉にすれば「無農薬」という、たった3文字ですが、それを実現するために、大変なご苦労があることを改めて感じました。そう考えると、冨田さんの枇杷やみかんは、一般のものより価格は高いですが、それ以上に価値があるものなんだと思います。
みかんの花にミツバチがやって来ていました。
これからまもなく枇杷が、そして、秋にはみかんが入荷してきます。お客様にこれらの作物の価値や生産者のご苦労、そして、お客様からいただく感謝の言葉を生産者に伝えていくことが必要だと改めて思いました。
冨田農園の果物 【無施肥無農薬栽培】みかん5kg★ただ甘いだけじゃない濃厚でコクのあるミカン
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