イル・フィーロディバーリア わら一本
左:マイケルをリーダーに、中:弟のヤコボ、右:幼馴染のマッテオ
アサクラの新しい生産者のオリーブオイルです。
福岡正信の著書「わら一本の革命」に刺激を受け自然栽培を始めたマイケル。
マイケルの作るオリーブオイルはまだまだオリーブオイルとしては調和のとれたものにはなっていません。これから年数をかけ皆様に導いていただきたいです。
わら一本の革命

福岡正信の著書「わら一本革命」
それは友達の友達にもらったものだったとマイケルは言う。「農業研修でイタリアに来ていたアフリカ人があるイタリア人女性に手渡し、それが僕の彼女のマルタを通して僕のところに届いたんだ。自分達が数年自然農にチャレンジしもがいていたのをその友達が参考になればと」
「弟とマルタと、みんなで同時に本をむさぼり読んだよ」
アフリカ人からイタリア人マイケルに手渡された日本人の著書「わら一本の革命」の力、そして日本以外の様々な国の人に読み継がれている、ということにまず驚かされる。
マイケルは「本は弟ヤコボ、マルタと共に故郷を離れ今現在の地、わら一本農園に移り住む原動力となった」という。
今現在、マイケル自身のサイトにも書いてあるように、わら一本農園はあらゆる可能性の実験室、実践の場、学ぶ場としてまさに稼働中。そのさ中にわたしは彼らと出会うこととなった。
マイケルは言う「自然と同じさ、農場はいつも変化しているよ。人の出入りも作る作物も、取り組むことすべてが変化していく。それは自然がいつも変化しているように」と。
ここまでのいきさつを詳しく聞き取ると様々なことがあったというのがわかる。しかし変化を恐れず前を向いて実践しているマイケルたちに敬意を表したい。
そして彼らの生産品オリーブオイルに私はかかわりオイルが更にいいものになるよう進化させ、そしてそのオイルを受けめる人に彼らの想いをも含めてつなげていきたいと思う。
アフリカから本「わら一本の革命」が彼らの手にわたったように、私は彼らのオリーブオイル「わら一本(イタリア語/イルフィーロディパーリア」をみんなに伝える。
そしてそれは伝えることにより誰かにとっての変化(革命とも言うのだろうか)だったり進化につながれたらうれしい。そしてまた次の繋がりへと未来に向けて永遠に。。。。
オリーブオイルのこと

アックアサンタの時に確信したことがひとつある。イタリア人といえども、質のいいおいしいオリーブオイルがどういうものかを知らないのだ、ということを。
わたし自身がアサクラオイルを作り始めた時もそうなのであるが、オリーブオイルの「フレッシュな風味」劣化していないのを前提に「オイルの切れの良さ」「おいしさ」「香しい風味」もろもろ、オリーブオイルの品質を見分けるうえでの『鼻』『舌』『勘』の感覚がイタリア人のほとんどの人が機能していない、先入観にとらわれている、ということ。それはよく知ったもののであるという先入観。料理で毎日使うものなのに!
10月中旬収穫のはじまり
これでいいのか?と思うものをイタリアの人は食べている。日本の醤油や味噌の現状と同じかもしれない。本物の醤油や味噌を食べている人はそうでないものを食べている人より絶対数が少ない。
日本人はもともと繊細な味と香りを楽しむ日本料理のベースがあり世界でも最高レベルの舌・感覚を持っている人種だと思う。
収穫は一年のうち一番の重労働
イタリアで4件のオリーブ農家に住み込みで働かせてもらった時、わたしは本物のオリーブオイルの味を知り新しい世界が広がった。それはマイケルが『わら一本の革命』を読んだ時と同じだと思う。別な視野が開けた。
その後オリーブオイルを日本で「売る」ことを始めたのが2000年。当時はほんもののオリーブオイルの味のわかる人はそういなかった時代だが、その 後オルチョで鍛えられたアサクラのお客様は少なくともオリーブオイルのおいしいものがどういうものか、今は理解されていると思う。
健康そのものきれいな果実!
わたしが扱うべく生産物は、元々日本人の研ぎ澄まされた味覚と嗅覚、オルチョで鍛えた感覚を満足させるに相当なレベルのクオリティーが必要だ。また自家栽培・自家生産のアサクラオイルの初期に衝撃を受けたことがある。
それはオリーブオイルを製造するのに、栽培のこだわりや収穫の仕方、収穫からオイルにするまでの時間など、クオリティーを調える物理的な方法があるのだが、アサクラオイルの初年度はできる限りの物理的条件を調えたにもかかわらず、はじめて搾油機から出てきたとき、そして瓶詰され日本に着いたときの味は今も忘れられない。「これ、どうやって売っていこう!」と思った。
毎日毎日摘んで集めて運んで…
オイルの化学分析数値などはよかったのだが、味がとがっておりスパイシーさだけが際立ち、調和のとれていないとても奇抜なものだった。万人受けする味と風味では到底なかった。
オリーブオイルは通常2〜3種の品種の違うオリーブの木を畑に植え、栽培上のリスク回避や収量や味の調和の為にミックスで栽培するのが普通です。
Buonappetito!
アサクラ農園は在来種のしかも単一品種の為、それが出来ないのでさらに味の調和をとるのが難しくもあり、いわゆる今時の流行りの味、みながおいしいというオリーブオイルにするのは至難の業でもあります。
しかし時を経て気候条件ももちろん毎年異なるのですが、味・風味は少しずつ変わっていった。それはどうして変わっていったのか、栽培の作業を変えていったお蔭で土地の条件ももちろんよくなったのですが、毎年の天候の変化と栽培条件や収穫量、そして味わいの変化とともにわたし自身の内面が変わっていった。
マイケルたちに賛同してくれた搾油所の家族ランディ一家
それは天候や木のコントロールをできないからこそ自分自身が変わっていくしかない、それは受け入れることを学んでいくことであった。付け加えるなら最初はトラブルのあったイタリア人との製造仲間との関係の変化もだ。
時間と共に大地が、そしてわたし自身や仲間の変化で2015年産10年目のアサクラオイルはとても調和のとれたいままでにない味や風味を持つオリーブオイルに仕上がったのはわたし自身意外であり、会心作と言っていいと思う。
ランディ搾油所は1700年代から稼働している。搾油所の一部が博物館になっています
自分自身でもオリーブ畑の大地と関わる全てに今まで以上に感謝しなけばならない気持ちになったのは言うまでもない。10年でこのような境地になれたアサクラオイル。
わら一本は正直、搾油機から出てきた味があの初年度のアサクラオイルに酷似している!調和がまだまだとれきっていないのはアサクラオイルの初年度と同じ。物理的条件は収穫して搾油機に入れるまでどのオイルよりも短時間で、条件は申し分ない。
ん〜この瞬間がたまらない!
これ以上ない条件でもオリーブオイルとして調和のとれたものにはまだなっていない、ということです。
しかし、アサクラオイルを初年度からずっと味わってきた方というのはそうこの世に沢山はいないのですが、オイルの変化を毎年リアルに見て味わったとてもラッキーな人々とも言えます。そしてわら一本もアサクラオイルやアックアサンタのように一からのはじまりです。
2016年3月に届くわら一本、多くの方にその“初めから味わう”の醍醐味を味わっていただきたいです。何と言っても日本人の持つ舌と感覚は超一級です。その超一級の目利き力にてわら一本をより良いオイルに導いていただきたいのです。評価し、受け入れ育てる。
彼らがオリーブオイル生産者としてしっかり自信をもち調和のとれた味と風味を持つオリーブオイルになるよう、そしてそれは自然栽培のピュアな大地の拡大と、これから未来にどんどん広がる糧となります。それはわたしや彼らが変化していったようにまた誰かの自己の変化・革命から進化にも繋がっていくのだとも思います。
出典:アサクラホームページより
商品情報 |
商品名 |
イルフィーロディバーリアわら一本 |
原材料名 |
食用オリーブ |
生産者 |
マイケル・リッチ |
産地 |
イタリア・ウンブリア州 |
内容量 |
220g(250ml) |
栽培 |
2011年より自然栽培(以前は/剪定・収穫のみ-無肥料で無農薬) |
搾油法 |
収穫後即日搾油/コールド抽出法 |
保存方法 |
直射日光、高温多湿を避ける |
輸入者 |
株式会社アサクラ |